
ネット証券でよく聞く「IPO取引って何?」と疑問に思っている方も多いのではないでしょうか?IPOとは、株式公開のことを言い、株式会社が自社で発行する株式を自由に譲渡できるようにすることです。
ネット証券でIPO取引を行いたい方は、まずIPOについて知識を深めることが重要です。IPO取引を始める際は、ネット証券によってIPOの種類が異なるため、ネット証券選びから慎重に行いましょう。
そこで今回は、IPOの説明をはじめ、IPOにおすすめなネット証券やIPOをおすすめする理由などをご紹介します。

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ネット証券のIPO取引とは
IPOとは、「Initial Public Offering」の略語であり、上場する前の企業が扱う株式のことをいいます。それぞれの単語の意味は、Initialが「最初の」、Publicが「公開の」、Offeringが「売り物」です。
それは、上場する前の企業は名前が知れ渡っていないことがほとんどだからです。ただしIPO取引は、大きな利益を獲得しやすいという特徴があるため、非常に魅力のある取引と言えます。

IPOにおすすめのネット証券5選
ここでは、IPOを扱っているネット証券を5つご紹介します。ネット証券によって提供しているサービスなどの特徴が異なるため、証券選びの際にぜひ参考にしてください。
IPOにおすすめのネット証券「SBI証券」
- IPO実績がNo.1※1
- IPOチャレンジポイント制度がある
- IPOに当選後のキャンセル料が無料
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SBI証券は、国内にあるネット証券の中でも、2021年のIPO実績がNo.1のネット証券です。IPO実績が多いことから、IPOにチャレンジできる機会が多いともいえます。
そのためIPO投資を始めたい方は、SBI証券での取引から始める方が多いです。またSBI証券は「IPOチャレンジポイント」という制度を設けていることも特徴の1つです。
SBI証券ではIPOチャレンジポイントが貯まるため、挑戦し続けていれば当たる確率が上がります。貯まったIPOチャレンジポイントは、ブックビルディング申込時に使用することが可能です。
しかしSBI証券では、当選後に取引をキャンセルしても別途手数料はかかりません。

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IPOにおすすめのネット証券「SMBC日興証券」
- IPOの主幹事件数が多い
- 預かり資産残高や信用取引建玉金額に応じてIPOの当選確率を上がる
- 当選確率が平等な「ダイレクトコース」も用意されている
SMBC日興証券は、IPOの主幹事件数が多いことで知られているネット証券です。IPOの主幹事とは、有価証券の募集や売り出しに際し、中心的な役割を果たす証券会社のことを言います。
またSMBC日興証券では、預かり資産残高や信用取引建玉金額に応じてIPOの当選確率を上げる制度が設けられています。
ただしこの制度は、SMBC日興証券の店頭取引である「総合コース」のみに適用されます。
そのため預かり資産残高が多いからといって、当選確率が上がることはありません。ただ、資産が少ない個人投資家は、SMBC日興証券のダイレクトコースがおすすめです。

- ダイレクトコースでは最低137円~
- 総合コースでは最低5500円~
特に店舗取引である総合コースの手数料は他のネット証券と比べると比較的割高のため、取引内容によっては損をすることもあるので注意しましょう。
IPOにおすすめのネット証券「楽天証券」
- IPOの抽選方式が完全平等制
- 取引手数料が安い
- 当選後の入金が可能
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「楽天証券」は、IPOの実績が年々増えているネット証券です。楽天証券のIPO実績は、2019年は26社でしたが、2021年は74社まで増えています。これからもIPO実績は増加し続けると予想されています。
楽天証券でのIPOの当選確率は完全平等制のため、投資金額や保有資産に関わらずどの投資家も同じです。
しかし楽天証券の手数料は、税込1,013円と非常に安いのがメリットです。仮に3,000万円の現物取引を行った場合は、一般的なネット証券では1万円以上かかることもあります。
さらにIPO取引の資金は、IPO申込時ではなく当選した後の購入時に入金すれば問題ありません。

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IPOにおすすめのネット証券「マネックス証券」
- IPOの完全抽選方式を採用
- つみたてNISAの口座からもIPOの購入が可能
- 2021年のマネックス証券で扱っているIPO取引数が66社と比較的多い
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「マネックス証券」は、完全抽選方式を採用しているネット証券です。資力や今までの取引件数によって当選確率が偏ることなく、どの投資家にも当選する可能性があります。
マネックス証券では、初めてIPO投資を行う方でも1回目の抽選で当選する可能性があります。
つみたてNISAで得た利益は、一定期間内に得たもの、または投資額上限内であれば非課税となります。
2021年のマネックス証券で扱っているIPO取引数は66社であり、他のネット証券と比べると多い方です。

マネックス証券のIPOは、完全抽選式であるため、株式を多く購入したからといって当選りが上がるわけではありません。
またSBI証券のように落選しても優遇される制度もないため、毎回純粋な抽選が行われます。
出典:マネックス証券 | ネット証券(株・アメリカ株・投資信託) (monex.co.jp)
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IPOにおすすめのネット証券「野村證券」
- 完全平等抽選と店頭配分の2つの方法でIPOを配当している
- IPO取引でどの投資家にも平等にチャンスがある
- 購入時の入金ができるため申し込みの際に資金を準備する必要がない
野村證券は、完全平等抽選と店頭配分の2つの方法でIPOを配当しているネット証券です。
野村證券の完全平等抽選は、資力や今までの取引件数に関わらず、1人一口の応募権利が付与されます。
店頭配分では、野村證券の店舗に口座を置いている方が対象であり、営業マンと顧客との良好な関係を維持するためにIPOが配当されます。
他の株取引で損失が発生してしまった顧客に、補填の目的でIPOを配当するケースもあります。

また野村證券のIPOは、申込時ではなく購入時に入金すれば良いので、すぐに資金を準備する必要はありません。
さらに当選後に取引をキャンセルしても、キャンセル手数料がかからないため、申し込みのハードルが低いと言えるでしょう。

ネット証券の年間IPO取引数ランキング
ネット証券の年間IPO取引数ランキング・ベスト10
ここでは、ネット証券の年間IPO取引数について、2021年の取引銘柄数が多い順に並べてみました。
順位 |
証券会社 |
2021年 |
2020年 |
2019年 |
---|---|---|---|---|
1位 |
SBI証券 |
122社 |
85社 |
82社 |
2位 |
SMBC日興証券 |
81社 |
52社 |
61社 |
3位 |
楽天証券 |
74社 |
38社 |
26社 |
4位 |
マネックス証券 |
66社 |
50社 |
45社 |
5位 |
野村證券 |
64社 |
41社 |
35社 |
6位 |
松井証券 |
56社 |
18社 |
21社 |
7位 |
CONNECT |
49社 |
10社 |
ー |
8位 |
岡三オンライン |
47社 |
39社 |
35社 |
9位 |
auカブコム証券 |
42社 |
19社 |
24社 |
10位 |
SBIネオトレード証券 |
21社 |
7社 |
5社 |

1位:SBI証券
- IPO実績がNo.1※1
- IPOチャレンジポイント制度がある
- IPOに当選後のキャンセル料が無料
※1 SBI証券HPより
2位:SMBC日興証券
- IPOの主幹事件数が多い
- 預かり資産残高や信用取引建玉金額に応じてIPOの当選確率を上がる
- 当選確率が平等な「ダイレクトコース」も用意されている
3位:楽天証券
- IPOの抽選方式が完全平等制
- 取引手数料が安い
- 当選後の入金が可能
4位:マネックス証券
- IPOの完全抽選方式を採用
- つみたてNISAの口座からもIPOの購入が可能
- 2021年のマネックス証券で扱っているIPO取引数が66社と比較的多い
出典:マネックス証券 | ネット証券(株・アメリカ株・投資信託) (monex.co.jp)
5位:野村證券
- 完全平等抽選と店頭配分の2つの方法でIPOを配当している
- IPO取引でどの投資家にも平等にチャンスがある
- 購入時の入金ができるため申し込みの際に資金を準備する必要がない
IPOをネット証券で取引おすすめする理由
IPOは、基本的に抽選に当選することで購入できる株式であるため、申し込んでも落選する可能性があります。
しかしIPOは、投資家から注目されている株式であり、当選すれば大きな収益につながる可能性が高いのが特徴です。

IPO株式の魅力
投資家にとってのIPOの魅力は、主に以下の通りです。
- 手数料が無料である場合が多い
- 売出価格が安い
- 上場後に株価が暴騰する可能性がある
- 企業の業績拡大が期待できる
IPOは上場する前の企業が扱っている株式であるため、手数料を無料に設定していることが多いです。そのため、通常の取引のように株式を多く購入するほど手数料が高くなることもないためお得です。
さらに未上場企業だからこそ、IPOの売出価格は安く設定されています。
またIPOは上場する前の企業の株式であるとはいえ、上場後は業績拡大によって株価が暴騰する可能性があります。

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企業はなぜ上場するのか
上場する前の企業は、なぜ上場するのかというと以下の理由が考えられます。
- 企業の知名度が上がる
- 人材が確保しやすくなる
- 資金調達ができる
上場するには証券取引所に認めてもらう必要があるため、上場しただけでも名が知れ渡り社会的信用が得られます。そのため会社同士や人間関係など、上場後の取引が円滑に進められることでしょう。
資金調達ができれば事業の拡大に繋がり、投資家にとっても株価上昇につながるためWIN×WINの関係になるメリットがあります。
さらに企業の知名度が上がることで「この企業で働きたい」方が増え、有能な人材確保にも繋がるでしょう。

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IPOにおすすめのネット証券の選び方
IPOにおすすめのネット証券の選び方として、次の4つのポイントを抑えましょう。
- 取扱件数実績の確認
- 口座開設数の確認
- 抽選方法の確認
- 前受金の必要性
ネット証券といってもそれぞれ異なった特徴があります。

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取扱件数実績の確認
1つ目が取扱件数実績の確認です。取扱件数実績はどの証券も年々と増えていることが多いものの、証券会社によっては20社以上もの実績の差が付くこともあります。

口座開設数の確認

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抽選方法の確認

前受金の必要性

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IPOの注意点を解説
IPO投資の注意点として、次の4つが挙げられます。
- 当選確率がとても低い
- 公募割れによる損失リスク
- 証券会社によっては前受金が必要になる
- 投資金額に制限がある
それぞれの項目についてみてみましょう。

当選確率がとても低い
1つ目が当選確率がとても低いことです。IPOは利益を得やすいことから、倍率が高く当選確率が非常に低いといわれています。

銘柄によって多少倍率は異なるものの、それでも当選確率は低いものです。当選確率の低さからIPO投資を諦めてしまう方もいるでしょう。
公募割れによる損失リスク
2つ目が公募割れによる損失リスクです。IPOは利益を得やすいものの、必ずしもリターンが得られるわけではありません。公募割れが起これば損失します。
公募割れは珍しいものではなく、IPO=必ず利益を得られると思っている場合は要注意です。

証券会社によっては前受金が必要になる
3つ目が証券会社によっては前受金が必要となります。そのため、資金がない方には難しい場合があります。
前受金は抽選が発表後に返却されるため、資金が限られている場合は複数での証券申込みが難しくなる可能性もあります。
とはいえ、前受金が必要のない証券会社もあります。資金に余裕がない方はそちらを選ぶのも良いでしょう。

投資金額に制限がある
4つ目が投資金額に制限があることです。ネット証券からIPO投資をする場合、100株までという制限が設けられていることがよくあります。
50万円以上の投資は難しく、大きな金額で投資をしたい方には不向きです。複数証券からの申込みが可能ですが、基本的には一度で多額は投資できません。

IPOに関するよくある質問
IPOは公平性を保つために、原則として抽選制となっています。
どの投資家も当たる確率は平等でありますが、その確率は1%以下と言われています。
IPOの当選確率を上げる方法は、以下の通りです。
- IPO実績が多い証券会社を選ぶ
- 口座開設数が少ない証券会社を選ぶ
- 平等抽選で申し込む
この3つを意識するだけでも当選確率が上がる可能性があります。
IPOの価格は、1株1,000円〜2,000円であることが多いです。
そのため、100株単位で申し込み可能な場合は最低でも10万円〜20万円が必要です。
ただし、証券会社の中には申し込み時点で資金がなくても申し込みができる証券会社を探しましょう。
IPOは、企業が上場した際に株価が暴騰し儲かるケースがほとんどです。
そのためIPOの抽選に当選し、株価が上がるタイミングを狙って売却するだけで、大きな収益が得られる可能性があります。
IPOは、資金があれば何株でも申し込むことが可能です。
ただし1つの企業に全ての資金を使うのではなく、複数の企業のIPOを申し込むことで当選確率が上がります。
IPOの抽選結果は、売出価格が決定する日の18:00〜21:00の間に発表されるケースが多くなっています。
抽選結果は、当選・補欠・落選の3つがあります。補欠当選の場合は、対象者のみで抽選を行い募集終了日の20:00以降に発表されるのが一般的です。
上場した後のIPOの初値の平均は、「価格.comマガジン」※1によると1.63倍です。(2021年12月16日の上場分まで)
さらに「価格.com」※2によると、初値が3倍以上に上がったケースも見られます。
株価が上がるケースが多いものの、上場した企業の1割程度は初値が下がっています。
※2:「価格.com」
まとめ
このように、IPO取引は投資家の間でも注目の高い取引です。
IPOは初値が上がる確率が高く、収益が得られやすいことが最大の魅力です。
さらに抽選で当選者にIPOを配当するため、誰もが平等に申し込みでき、初めて投資を行う方にもおすすめです。
